『読み出したら止まらない! 海外ミステリー マストリード100』杉江松恋

  • 著: 杉江 松恋
  • 販売元/出版社: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2013/10/25

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日経文芸文庫というレーベルが新たに創刊された。珍しく栞紐がついていて、これで現時点で新潮文庫、星海社文庫、そして日経文芸文庫の三レーベルが栞紐のある文庫となった。ある意味凄いな。
現時点で入手可能であるという条件下で筆者が必読と考える海外ミステリを100冊選び出した本。
なので、その選択は個人の主観と同時に、入手可能という条件が入るので必ずしも万人が受け入れる選択ではないようにも思えるのだけれども、実際に読み始めるとそんなことはまったくなく、ここで挙げられた本は何かしらの形でミステリが好きである人間であれば読んでおいた方がいい本ばかりだ。
とはいっても、個人の好き嫌いの問題もあるので、中には、確かに必読といわれればそうなんだけれども、読みたくないなあと思う本もある。
僕の場合は、ケッチャムの『隣の家の少女』がそうだ。たぶん、この先もこの本を読むということはないだろう。
古典よりも新しめの作品のほうに比重が傾いているのは入手可能という縛りのせいもあるかもしれないが、古典系は他のガイドブックを参考にすればいいだけだし、入手可能な本以外でも、補足という形で入手困難だけれども読んでおいたほうがいい本も紹介されているところが、かゆいところにも手がとどく配慮というかありがたい点で、多人数のアンケートによるベスト100よりはミステリを楽しむうえでより役に立つガイドブックになっている。
こうなると国内編もほしいところなんだけれども、嬉しい事にそれは来年に出版予定なので、楽しみに待つこととしよう。

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