『バトルグラウンドワーカーズ 2』

謎の生命体による襲撃によってそれまでの日常の中に非日常が入り込み、それでも日常の生活は流れていくというと、米代恭の不倫SF『あげくの果てのカノン』を思い出す。『バトルグラウンドワーカーズ』の第一話を読んで真っ先に思い出したのがこれだ。
しかし、『バトルグラウンドワーカーズ』では不倫は登場しない。さらにいえば、謎の生命体との戦いは主人公たちの生活の場からはるかに離れた島で行われていて、主人公を含め大半の人々は人類の命運をかけた戦いが行われているということも意識していない。
しかし主人公はその戦いを仕事として選んだために主人公にとっては日常と非日常が混在していくこととなる。
戦闘といっても主人公自らが直接戦うわけではなく、遠隔操縦のロボットを通して戦うのだが、その設定が絶妙で、ロボットと意識を直結しているので、ロボットが破壊されてしまうとショック死してしまう。破壊される前に強制離脱をすれば助かるのだが、強制離脱は脳に負担をかけるために5回までしかできない。そして前巻で主人公は二回強制離脱してしまう。
残りは三回だ。
さらには主人公のチームには優秀だがすでに五回強制離脱していて残りがない人物がいるうえに、上層部はそんな彼のチームを捨て駒として扱おうとする。つまり危険な任務に赴かせて囮として使うのだ。
まだまだ先の見えない物語なのだが、面白くなるばかりだ。

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