『大阪環状結界都市 3』白井弓子

もう少し続くかと思っていたら3巻で完結してしまった。
最初から構想どおりだったのかそれとも打ち切りなのかは定かではないけれども、大阪環状線に搭載された列車内犯罪を見つけるためのOシステムというスキャンシステムから始まって、犯罪捜査物になるのかと思いきや、みぎわもんと呼ばれる陰陽術的な化け物の存在が明らかになっていって、詰め込まれた設定が十分に描かれたのかというと物足りなさはある。
タイトルからして結界都市であるわけで、Oシステムがいわば結界のような役割を果たし、じゃあ結界が何を防いでいるのかということになるわけだが、そこから伝奇っぽい物語がくっついてきて、うーんこうして書いてみるとやっぱり駆け足的に終わってしまったなあという感じはする。
けれども、みぎわもんがなんなのか、とか主人公たちに敵対する存在とかばらまかれた謎はきれいに解かれて、とくにみぎわもんの正体なんかは説明不足ぎみな感じはするもののけっこう驚く正体で、人類の未来というおおきな問題に関わってくる。
というわけで最後の最後でいっきに大風呂敷を広げて驚いているうちに一気に畳み込んできれいに収束させてしまった。
まあこれはこれでありなのかもしれないなあ。

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