面白い題材だっただけにもったいないなあというのが読み終えての感想。
中心となる物語としては全三巻でまとめきったけれども、二巻目以降が電子書籍のみになってしまったことから想像がつくようにあまり人気がでなかったんだろう。
現代を舞台にいまでも続く忍者の世界。
それだけならば別に目新しくもないのだけれども、この忍者の能力というものを超人的な技使いというようには描かず、知力と観察力を駆使してその場のありあわせのものを道具として駆使していくという設定にしてあるのが面白い。
いうなれば、マット・デイモン主演の映画『ボーン・アイデンティティ』の世界を漫画で描いたといったところか。
二巻までは最強スパイ決定戦といった趣で、主人公キリカとその相棒となるシンヤがコンビを組まされて生き残りをかけて戦うという話だったのだが、三巻目で物語を終結させるために、それまでの伏線の回収を諦めて、主軸の物語を描ききるという点に切り替わってしまった。
そんなわけなので、相棒のシンヤの謎が明らかになることなく、更には最終話では別行動して途中退場してしまったのはつくづく残念なのだが、しかたあるまい。
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