『大江戸スモーキングマン』大石まさる

大石まさるの新作は時代が未来から過去に。
といってもそれはあり得たかもしれないもう一つの過去。
江戸時代っぽい時代背景でありながらもスチームパンクな世界でしっかりとSFだ。
めずらしく主人公は四国の小藩主のお気楽三男坊と、男である。そんなかれが藩の御用で江戸にやってきたところから物語は始まる。スチャラカでいい加減な主人公だが腕っぷしは強く、そして煙草のけむりを任意の形に吹き出してそしてそれを実体化させることができるという怪しげな技を使うことができる。煙草を使うことからタイトルにもあるようにスモーキングマンと呼ばれる。
前作の『マーチャンダイス』と同様の絵柄なんだけれども、よりバンド・デシネに近くなっている。というか作者のインタビューを見ると、メビウスだったのか。
まだまだメビウスには程遠いと作者は言っているけれども、メビウスの一面には近くなっていると思う。個人的には『水惑星年代記』のころの絵柄が好きだったけれども、まああれはあの内容だったからあの絵柄が良かったわけで、内容に合わせて絵柄も変化していくというのは嫌いじゃない。
いくらでも続けることができそうな話でありながら、一つの大きなエピソードを1巻できれいにまとめて、まだまだ続きが読みたいと思わせるところで終わっているあたりは心憎い。

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