『怪獣記』高野秀行

小学生のころはUMA、未確認生物というものが好きだった。
ネス湖のネッシーとかツチノコといったたぐいのことである。
あのころはテレビでもツチノコ探しといった未確認生物を探す番組が放送されていて、その影響というのも多分にあっただろう。
それがいつしか興味を失っていったのは、やはりいつまでたっても見つからないということで、元来の飽きっぽさも相重なって急速に興味を失っていった。
それなのにこの本を買ったのは作家買いであり、高野秀行の書く文章が面白いからでもある。
今回はトルコにあるワン湖という湖に棲むといわれる謎の巨大生物ジャナワールを探す話だ。
UMAを探すためにトルコまで行ってしまうという行動力にも驚かされるが、今回は今までの高野秀行の書く文章にくらべて面白さが少し少ない。
多分、探しに行って本当に謎の物体を見つけてしまったせいなのかもしれないが、いたって真面目なのである。おそらく、高野秀行の書籍の中で不真面目さと真面目さの一番バランスがちょうどよく取れているのではないだろうか。
もちろん、真面目といいながらも、未知のネッシーを既知の未確認生物、そして自分が探したいのは未知の未確認生物と、未確認生物に未知も既知もあるのものかとツッコミを入れたくなる。といっても、理由を読めば納得出来るのだが、そういった納得出来る部分でさえ面白さがあるという部分は読んでいて楽しい。

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