いろいろな事情が重なって40歳を過ぎてから引っ越しをすることが多くなった。僕個人としては荷物をまとめるのが面倒なので、特に大量にある本がそうなんだけれども、あまり引っ越しなどしたくはない。できれば一箇所で落ち着きたいと思っているが、その一方で、引っ越しを何度かしているうちに家の間取りを見るのが好きになってしまった。
自分の理想とする間取りの物件が見つかるということは殆どないけれども、どこを妥協して、どこは妥協できないといった感じで予算内で見つかった物件の間取りを見て、この部屋はどう使おうかとか、収納スペースはどのくらいあるのだろうかとか、実際に内覧するまでの間にあれこれと考えるのはなかなか楽しい。
そんなわけで、引っ越しする予定がなくてもたまに物件を探して間取りを見たりする。
なのでこの本が出たときには驚いた。もちろん世の中には面白い間取りを集めた本というものが存在していて、僕もそういう本を買って読んだこともあるのだが、それはあくまで間取りがメインの本だ。しかしこの本は漫画である。
まさか間取りをテーマにした漫画が描かれるとは思わなかったのである。
もはや買うしかない。
で、読んでみると必ずしも間取りが関係するというわけでもない。主人公の二人は建築学部の大学生。二人で共同生活をしているが、そろそろ手狭になってきたので引っ越しすることを考えている。
そこで理想とする間取りというものが登場するわけで、二人が望む条件内で見つかった物件の間取りについてあれこれと話が進んでいく。
自分が選ぶ際に注意していた点が語られることもあるが、その一方で、そういう注目点もあるのかと勉強になる点もあったりして、なかなかおもしろい。
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