前巻はさすがにちょっと無茶な展開で、いくらなんでもあれじゃあ即死で助からないだろうと思ったのだが、しかしここで死んでしまうと話が終わってしまうので、まあとりあえずは無茶な展開も受け入れることにして、さて今回はA106と廃墟を守る守護ロボットとの戦いがメインで、圧倒的な強さを誇る守護ロボットに対してどのようにして戦うかという頭脳戦でもある。
しかし頭脳戦とはいえどもA106の善良な心の部分が弱さとなって、圧勝ではなくかろうじて勝つことができたというところなんだけれども、そこはそこ、ぶれないままの状態というのがいい。
後半ではふたたび、お茶ノ水博志の祖父が出会った、未来から来たアトムの部分に関して触れられるのだが、これがなかなか予想外の展開で、タイムトラベルが可能という部分はさておいて世界の分岐が起こっていたというのである。
そもそもこの物語はアトムが誕生する以前の物語でありながら、手塚治虫が描いたアトムの世界とは大きく異なっている。この部分をどうつなげていくのか、あるいはそこまできっちりとつなげるつもりはないのだろうと思っていたけれども、こういう形でつなげたのかというわけだ。うーん、続きが楽しみだなあ。
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