写真を撮るという趣味は持っていないので、撮る機会は少ない。逆に撮られることは多いのかといえばこちらも多くはなく少ない。
少ないというわけなので、まったく無いというわけではないのだが、写真を撮られる場合の気構えというか撮られる時の気持ちというのはいつしか変化していることにふと気がついた。
子供の頃は写真というものが珍しかったせいもあるかもしれないが、写真を撮られるときには無条件に今の顔をしていた。つまり自分がどのような形でるのかということをのかなどまったく気にしていなかった。
が、いつからだろうか、自分がどのように写るのかということを気にして写るようになった。
そしてその対象は、その写真を見る自分であって、つまり未来の自分に向けての顔を意識している。
だから写真を取られる時、カメラのレンズの向こうにあるのは未来の自分の姿であって、未来の自分が過去の自分を見た時にどういうふうに思うのかを想像して、見られたい顔を作るのだ。
その瞬間、未来と今とを結びタイムトンネルのようなものが生まれる。
かといえばそんなことはないのだが、写真を撮られるとき、未来を意識するのはたしかだ。
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