『巨神覚醒』シルヴァン・ヌーヴェル

前作の『巨神計画』は僕の想像していたものと少し違っていたので、読み始めて少し戸惑ってしまったけれども、結果としては面白かった。
で、次作が出たので早速読んでみることにしたわけだが、いろいろと驚くというか予想外の展開をしたので、なるほどなあと思う半面、今回も前作と同様に会話形式だけで物語が進むので、もどかしい部分も出てくる。会話だけで地の文が無いので何が起こっているのかは登場人物のセリフでしかわからないのだ。それゆえに読む方も何が起こっているのかわからないままに登場人物と同じ情報量の中でいろいろと考えあぐねていかなければならない。
さて、物語の方はというといよいよ敵側のロボットが登場してロボット同士の戦いが始まろうとするのだが、これもひねってある。敵のロボットも、地表に登場したのはいいけれども何もしようとはしない。ただ立っているだけなのだ。もちろんやがては破壊活動をするのだが、それまでの間の物語の溜めという部分がなかなか心地よいし、このロボットの倒し方というのも気が利いている。
敵のロボットの数は多数なのにこちらは一体だけ。圧倒的不利な状況でこの物語をどうやって終わらせるのだろうか。

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