『カナリアたちの舟』の高松美咲の新作が出た。
『カナリアたちの舟』は2016年だったのでそれっきりになってしまったのかと思っていた、というか忘れてしまっていたのだが、SFとして面白かったので今後の活躍を期待していたけれどもなかなか新作が描かれなかった。
で、忘れきったところに新作である。今回もSFなのかと思ったら全く違った。学園ものでそして前作とは違って明るい。いや、その明るさというのはあくまで主人公の性格からくるものであって、描かれている題材は高校生の生活だからけっして明るいものではない。友達関係の間でも上下の優劣をつけようとする子もいれば、クラスメートになかなか馴染めずにいる子もいる。
主人公は石川県の田舎町から東京の高校に入った女の子。地元では同級生が8人という小さな共同体の中で仲良く暮らしてきたために、都会の高校生たちのいろいろな思惑というものに気がつくことができない。結果として天然キャラクターとして行動してしまうはめになる。
しかし、天然キャラだからといって悩まないわけではない。いろいろなことで悩むし、ピントのボケた悩み方もする。でも彼女は東大に入って官僚となり、人民の頂点に立つという夢がある。まあそんなところも天然キャラを増大させる要素なのだが。
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