息子15歳、母親10歳。
突然の事故で亡くなった小路啓之の未完の物語。
『ごっこ』と同様に家族を描いた物語になるはずだったのだが、まだ物語らしい物語、つまり、母親が10歳であることに対する物語が駆動し始める前に作者は亡くなってしまったので4話までしか描かれていない。
主人公の母親は主人公が幼いころに海の事故で亡くなってしまった。それ以降は父と二人で生活をしている。
そんなある日、主人公が家に帰ると一人の少女が台所にいた。少女は主人公の母親だと名乗る。……が少女の胸には名札がついており、少女は有名な子役俳優であることがわかる。
母親と名乗っているのは演技なのか、それとも亡くなった母親が子役俳優の体を借りてこの世に戻ってきたのか。
後者の雰囲気が漂いながらも何しろ4話しかないのである。どちらにころぶのかはこの時点ではわからない。いや、どちらでも構わないのかもしれない。作者が描こうとしているのは家族の物語だったのだろうから。
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