『アトムザビギニング 8』カサハラテツロ―

前巻でワールド・ロボット・バトリング篇が一区切りついて、新しい展開を迎える。今度は舞台がベトナムに移るのだがこれまた予想外の舞台でもある。
いやそれ以前に御茶ノ水のおじいさんが語った話が驚きで、アトムが未来からタイムスリップして過去のおじいさんのもとにやってきてロボット開発を手伝ったというエピソードが語られる。もっともアトムそのものの姿は直接は描かれないのだが、二本の足からジェットを噴射してどこかへ去っていったというところも含めてアトムである。
さらにいえばアトムは未来へ戻ったのではなく今もどこかにいるらしい。そんなわけでアトムの居場所を求めてベトナムへと向かう主人公たちなわけなのだが、ではA106はどうなるのだろう、というか過去のアトムは人間そっくりの姿をしていたということで、どこかでA106は人間そっくりの姿になるのだろうけれども、答えはまだまだ先のようである。
その一方で、天馬の方はというとソフトウェア面だけではなくハードウェア面においても進化するロボットという概念に気づく。
って、手塚治虫の鉄腕アトムの場合は天馬博士は事故で亡くなった息子、飛雄の代わりに飛雄に似せたロボットを作ったのだけれども、ロボットであるために成長などせず、それが故にサーカスに売り飛ばしてしまったわけで、この時点で成長するロボットという概念に気がついて大丈夫なのかと思ってしまう。
もっとも、1巻の時点ですでに手塚治虫のアトムにすなおに繋がるようには思えなかったので、手塚治虫とは異なるアトム誕生までの話であると考えればいいのかもしれない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました