二巻が出てすぐに買ったのはいいが、読むのがもったいなくてしばらく放置していた。
しかし、とうとう我慢できなくなって手にとって読んでしまった。
バンドのギターとして音楽活動に参加することになった主人公だが、そのことをなかなか父親には言えずに悶々とした日々を送っている。
相変わらず冬目景の物語の世界には独特の時間が流れている。
普通ならばここで音楽活動一直線になるだろうけれど、冬目景の漫画はそんなことにはならない。主人公が参加したバンドはアマチュアとはいえども絶大な人気を誇っていたバンドだった。だったというのは人気の中心であったボーカリストの死によって活動は休止状態中だからだ。そして残ったメンバーであるベーシストとドラマーの二人が主人公を仲間に引き入れて活動を再会し始めるという基本ラインのストーリーをみても、音楽活動一直線の話になると思うのだが、冬目景はそんな主人公たちの生活をゆったりと描いていく。かならずしも音楽だけではない登場人物たちの人生、もちろん彼らの中では音楽が第一であることには変わりはないのだけれども、それが全てというわけでもない。それ故にいつまでも読み続けていたいという気分にさせてくれる。
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