来月の気になる本

朝日文庫『メアリー・スーを殺して』乙一 他
角川文庫『あひる』今村夏子
講談社文庫『クロコダイル路地』皆川博子
講談社文庫『盤上に散る』塩田武士
光文社文庫『キッド・ピストルズの慢心』山口雅也
光文社文庫『殺人は女の仕事』小泉喜美子
新潮文庫『スティグマータ』近藤史恵
竹書房文庫『黒き微睡みの囚人』ラヴィ・ティドハー
ハヤカワ文庫SF『セミオーシス』スー・バーク
鉄人社『戦後怪奇マンガ史』米沢嘉博
集英社『人間界の諸相』木下古栗
『メアリー・スーを殺して』は乙一の他、中田永一、山白朝子、越前魔太郎の作品が収録されているけれどもこの四人、実際は同一人物なのでアンソロジーというよりも個人の短編集です。おまけに解説の安達寛高は本名と凝った一冊で、かつて角川文庫で出ていた『都筑道夫一人雑誌』を彷彿させます。
書肆侃侃房から出た今村夏子の『あひる』はなんと角川文庫で文庫化されます。
近藤史恵の『スティグマータ』は『サクリファイス』につながる自転車レースを扱った物語です。
皆川博子の『クロコダイル路地』も文庫化されますが、単行本は二冊だったのに文庫は一冊のようで変だなと思ったら1040ページとなっていました。京極夏彦の本と比べると若干薄いのですが、それでもあれに匹敵する厚さの文庫本になるようです。
塩田武士の『盤上に散る』は『盤上のアルファ』の続編です。『盤上のアルファ』が面白かっただけにこれは楽しみですね。
楽しみといえば光文社文庫で文庫化される小泉喜美子の『殺人は女の仕事』も楽しみです。小泉喜美子は再評価されて順調にというか次々と作品が復刊されています。この調子で全作品が復刊してくれるといいのですが。
さりげなくというかいつのまにか海外のSF小説を文庫で翻訳出版してくれるようになった竹書房からはラヴィ・ティドハーの『黒き微睡みの囚人』が出ます。歴史改変奇想ノワールということで面白そうです。
続いて漫画です。
アクションコミックス『僕らの色彩(1)』田亀源五郎
リイドカフェコミックス『本田鹿の子の本棚 大乱戦クラッシュファミリーズ篇』佐藤将
KCx『LIMBO THE KING(5)』田中相
モーニングKC『AUTOMATON(3)』倉薗紀彦
バーズコミックス『空電ノイズの姫君(3)』冬目景
バーズコミックス『あなたに捧げる私のごはん』松田洋子
少年サンデーコミックス『漫画家本(10)浅野いにお本』浅野いにお
ビッグコミックス『バジーノイズ(2)』むつき潤
来月は気になる漫画が少ないです。
『弟の夫』の田亀源五郎の新作『僕らの色彩(1)』が出ます。内容は田亀源五郎ですからどういう傾向の話なのかは想像がつくのですが、ゲイに関する入門編ともいえる内容だった『弟の夫』からどう発展していくのか気になります。
WEBでの連載は追いかけていないのですが、佐藤将は予想以上にハイペースで連載しているようで『本田鹿の子の本棚』シリーズも三冊目となります。
順調といえば田中相の『LIMBO THE KING(5)』も順調に5巻がでます。眠り病という奇病とそれを治療するために発病者の精神の中にサイコダイビングして治療するというエンターテインメントな物語はまだまだ先が見えません。
まだまだ先は見えないなと思っていた冬目景の『空電ノイズの姫君(3)』はなんとこの巻で完結してしまいます。もう少し続くと思ったのですが残念です。
今年の更新は今日で終わりです。
去年の年末年始はいろいろと大変でした。今年も大変でしたがなんとか凌ぐことができました。といっても悪くはならなかったというレベルでかならずしも良くなったわけでもないのですが、それでも去年とくらべれば穏やかな年末年始を迎えることができそうです。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。

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