来月の気になる本

河出文庫『血みどろ臓物ハイスクール』キャシー・アッカー
小学館文庫『もつれ』ジグムント・ミウォシェフスキ
ハヤカワ文庫JA『revisions 時間SFアンソロジー』大森望編
実業之日本社文庫『七日じゃ映画は撮れません』真藤順丈
創元推理文庫『モリアーティ秘録(上下)』キム・ニューマン
創元SF文庫『火星の遺跡』ジェイムズ・P・ホーガン
メディアワークス文庫『推理作家(僕)が探偵と暮らすわけ』久住四季
新潮文庫『田嶋春にはなりたくない』白河三兎
国書刊行会『JR』ウィリアム・ギャディス
主に電子書籍で本を買うようになってから未読の本が増え続けています。
そんなわけで、ちょっとは買うのを抑えようと思っているのですが、いつものごとく思っているだけです。
キャシー・アッカーの『血みどろ臓物ハイスクール』は、タイトルがおどろおどろしいけれどもスプラッターホラーではありません。ウィリアム・バロウズの女性版といったほうが近いかもしれませんが、よく文庫化しようと思ったものです。
小学館文庫からはジグムント・ミウォシェフスキの検察官テオドル・シャツキを主人公とする<シャツキ三部作>の一作目『もつれ』が翻訳されます。ピエール・ルメートルの場合は三部作の二作目が最初に翻訳されましたが、二作目だったのでまだましです。ジグムント・ミウォシェフスキの場合は三部作の三作目が一番最初に翻訳されてしまったので主人公がどういうことになるのかすでに知ったうえで一作目を読まなければいけません。もっともそういったことはおまけであって知っていても面白いのかもしれませんが、三作目の『怒り』を未読の人は一作目から読んだほうがいいでしょう。
わりと編まれることの多い時間SFのアンソロジーがハヤカワ文庫JAから出ます。『revisions 時間SFアンソロジー』は目玉としてはC・L・ムーアの「ヴィンテージ・シーズン」が収録されていることですが、私はこの話を読みたいがゆえにSFマガジンの古書を探して買って読んだので、それほど嬉しくはないところが残念です。
メディアワークス文庫からは久住四季の新作が久々に出ます。タイトルからしてやはりミステリのようですがメディアワークス文庫というところが古巣に戻ったという感じですね。
来月の目玉はウィリアム・ギャディスの『JR』です。翻訳されるという話は聞いていたのですが国書刊行会から出るとは知りませんでした。国書刊行会なので来月に本当に出るのかはわかりませんが、それにしても960ページ。想像以上に厚い本です。版元サイトのあらすじを見る限りではコードウェイナー・スミスの『ノーストリリア』とちょっと設定が似ている感じもします。あくまで設定だけですが。
続いて漫画です。
少年サンデーコミックス『双亡亭壊すべし(11)』藤田和日郎
ビッグ コミックス『そのたくさんが愛のなか。(5)』吉田聡
ビッグ コミックス『バディドッグ(5)』細野不二彦
乱コミックス『いちげき(4)』松本 次郎
ビッグ コミックス『おやすみシェヘラザード (2)』篠房六郎
ビッグ コミックス『重版出来!(12)』松田奈緒子
角川コミックス・エース『夢で見たあの子のために (3)』三部けい
少年チャンピオン・コミックス『AIの遺電子RED QUEEN(3)』山田胡瓜
BUNCH COMICS『Artiste(4)』さもえど太郎
BUNCH COMICS『応天の門 (10)』灰原薬
flowers コミックス『海街diary 行ってくる(9)』吉田秋生
朝日新聞出版『かっぱのねね子 こうの史代小品集』こうの史代
ヒーローズコミックス『アトム ザ・ビギニング(9)』カサハラテツロー
松本次郎の『いちげき』は4巻が出るのですが、じつは原作も持っています。買ったまま積読にしていて、このままだと漫画版の方を完結まで先に読んでしまうことになりそうです。
BUNCH COMICSからはさもえど太郎の『Artiste』の4巻が出ます。超人的な味覚と嗅覚を持つ料理人が主人公の物語ですが、その能力のおかげで料理人としては一流でありながら尋常ではない気の弱さのためになかなか自分の力を発揮できません。そんな彼の成長の物語にもなっているところが面白さに繋がっています。
一番気になるのはなんといっても吉田秋生の『海街diary』が完結したということですね。1巻が出たのが2007年、連載開始は2006年ですから約12年です。12年で9巻というのはずいぶんとゆっくりとしたペースで描き続けられてきたわけですが、最終話がどんな話になるのかわかりませんが、それでも副題からすると四女の旅立ちで終わるようで、第一話の内容を振り返ってみると、そうかそうだよなあと感慨深いものを感じます。
まだ読んでもいないのにですけれど。

コメント

タイトルとURLをコピーしました