11月4日

病院では妻は6時に起きている。なので家に帰ってきても同じように6時ごろに起きだした。
さすがにそこまで妻に付き合う気力がなかったので僕はもう少し布団のなかでうとうととする。
妻はお茶を入れてテレビを見始めたようだがしばらくしてまたアイロンがけをし始めた。で、またしてもカーペットを溶かす。
今日は病院に戻らなければいけないので、多分、戻る時間が近づいてくると妻は不安定になるだろうなと覚悟をしておく。
妻の様態に関していえば、まだ薬の調整中ということで副作用のほうが辛そうで、幻聴や頭痛があるかどうかはわからない。もともとせっかちだったけれども輪をかけてせっかちになったようで、思い立ったらすぐに行動したがる。というかこの部分は子供に戻ったといったほうが近いかもしれない。自分が思い立った行動に対してその後先のことを考えようとしない。なにか欲しいと思ったらすぐに欲しがり、それを手に入れるのにお金が必要だということや店で売っているかどうかわからないということまで頭がまわらない。なので諭すしかない。
退院したら引っ越しをしたいと言ってくるのも厄介な問題だ。まあ引っ越しに関しては今、なんとかしなければ行けない問題でもないので先延ばしにするしかない。
やがて病院に戻る時間が近づいてくる。渋ると思ったがそれほど渋ることもせずに車に乗り込んでくれた。
が病院に近づくにつれてやはり感情が乱れ始めてきたようで来週は週の半ばくらいに外泊をしたいと言ってくる。病院では仲良くしてくれる入院患者さんもいるようだが、基本的に人見知りでコミュニケーションをとるのが、というよりも他人との距離をうまくとることのできない妻にとっては入院生活は針のむしろのようなところもあって、本来ならば心を落ち着かせるための入院でありながら妻にとってはそうではないというところが厄介である。
とはいっても入院当初はそんなことは言っていなかったことを考えると、そういったことに気が向くようになっただけましになったのかもしれない。

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