10月6日

今日は午後に、妻の担当をしてくれている看護師との面談がある。台風が近づいてきているが雨は降っておらず、曇り空の中にも青空が少し見える。洗濯物を外に干しても大丈夫そうな感じでもあったが、やめておくことにする。
妻が入院してから一週間が過ぎた。ひとりぼっちの生活もだいぶ落ち着いてきた感じがする。昨日までとはうって変わって今日は暑い。妻から頼まれていたフリースの着替えもこんな気候では持っていっても着ないだろうから、妻との面談の方はどうしようかと考えるのだが、もう10月である。今日は台風の影響で暑いくらいな温度になったが、いずれ冬物の服も欲しくなるだろうから、早めではあるが持っていって渡しておこう。
面談は予定では13時とメモしてあったのだが、実際は14時からで、どうも自分の記憶違いだったようだ。一時間も時間が空いてしまったので先に妻と会っておくことにする。
入院前はあれほど痩せていた首筋も多少はふくよかになってきた。毎日食事も食べているようだが、ご飯の量が多すぎるらしい。
薬はジブレキサではなく別の薬を飲んでいるようだ。あれほどジブレキサから他の薬に変えるのに苦労して、結局できなかったことを思うと、どういう心境の変化なんだろうなあと思う半面、入院しているので言われたとおりにするしかないのだろう。
あれほどひどかった頭痛もだいぶ楽になったようで、それに関しては良かったと思う。また、新しい薬はジブレキサと違って飲んでも頭がぼやっとならないらしい。それは良かったじゃないかと言うけれども、妻はジブレキサのほうがいいという。ひょっとしたら頭がぼやっとしている方が幻聴が聞こえない、あるいは周りの音が気にならないのかもしれない。飲んでいる薬の名前はわからないと言っているので主治医の面談のときに聞いてみよう。
相変わらず妻は一生入院生活を送らないといけないと思い込んでいる。その考えを補強したのは妻に渡された入院治療計画書の入院期間の欄に三ヶ月と書かれていたことだ。見せてもらうとたしかにそのように書かれている。今回の入院は本人による任意入院なのでこの入院治療計画書も妻に渡されるわけだが、一般的に精神科の入院は3ヶ月と書かれるので実際にそんな期間の入院になるのかどうかはわからない。でも年末は病院ではなく家で迎えられるといいなと思う。
だいぶ元気になったようだがそれはあくまで肉体的な部分であって、妄想の方はまだ残っている。しきりに僕のことを気にしていて、体に変調がないかどうか聞いてくるし、引っ越しを早くしたほうがいいと言ってくる。
一日おきに面会にこなくてもいいと言ってくる。妻の感覚からすると精神科の面会に一日おきに来るのはおかしいらしい。一週間のうち土曜日に一回だけ来てくれればいいという。まあ、あまり面会に来すぎても妻を困らせるだけかもしれないので、特に用事がない限りは土曜日だけにすると妻に言う。
看護師との面談時間が来たので妻は病室へと戻っていった。
看護師との面談では入院前の妻の容態について聞かれたので最初の発症のときからかいつまんで妻の状態に関して話した。あまり細かなことまで話してもしかたがないし、妄想に関してもその内容について細かく話してもあまり意味はないだろう。もちろんそれを判断するのは相手の方なのだが、妻がどんな妄想をしているのかなんてことは妻本人しかわかりえないことで、だから僕は僕の感じたとおりのことしか話すことはできない。実際、今の妻がどんなふうに今の自分の状態を思っているのかなんてわからない。だた一つ言えるのは妻が残りの人生をずっと入院生活でおくることになるだろうと考えていることだ。

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