10月3日

今日は前回のときに頼まれた長袖のTシャツを持っていく。前日の夜の妻のタンスを開けまくってようやく二枚見つけることができた。どちらが良いのかわからないし、妻は肌に当たるとチクチクするからといって首元の洗濯表示タグを切ってしまうので綿100%なのかポリエステル混合なのかわからないので両方共持っていくことにする。七時半に家を出れば八時には間に合わないものの十五分ぐらいには病院に着くのだろうと思っていたが朝の通勤時間を甘く見すぎていた。病院についたのは四十分過ぎだった。
面会票を書いて病棟に向かう。ナースステーションでは看護師さんたちがほぼ全員いてそれぞれななにかしらの仕事をしていたミーティングではないようだ。
面会室へと通されるのだが、今日は持ってきた荷物の検査はされなかった。うーん、どうなんだろう、これは。まあそれだけ信頼されるようになったのか、とも思ったがそうでもないだろう。
面会室で待っていると妻がやってきた。ほうじ茶のペットボトルを持っている。たまに買うのは構わないが、給湯器のお茶は飲まないのだろうか。前回のときに味が変とか言っていたので飲まないようにしているのかもしれないが、最初の入院のときもおんなじことを言っていてその時は僕が面会に行くたびにペットボトルのお茶を買って持っていったのだ。
妻がズボンの裾をめくって足を見せてくれた。だいぶ痩せて細くなっている。が、妻が見せたかったのは足の細さではなく、足の肌の色だった。点滴を打ってからこんな色になったのよ。という。
いや、それは違うといいたかったが言ったところで納得しないだろうから、曖昧にうなずいたままだ。そもそも打った点滴も生理食塩水で脱水症状の緩和程度の役割しかない。皮膚の色が悪いのは食事を取らなくって栄養不足だったという可能性のほうが高いだろう。何れにせよ点滴に不信感を持つということはまだ治療が必要だということでもある。
妻は相変わらずこのまま一生、入院生活となるだろうと思いこんでいる。その一方で、薬を飲み続けていればこんなことにはならなかったかもしれないと後悔しているし、僕一人で生活しているので家の中は乱雑になっているんじゃないかと決めつけたり、ゴミはしっかりと捨てているかと、心配しているのかそれとも子供扱いしているのかはわからないが、自分以外の人のことに関しても気にしたりしている。
食事も少ないながらも食べてくれているようなので、少しは良い方向へと向かっているような感じだ。
朝夕が少し肌寒くなりだした。
LINEで行われている家族会に参加しているのだが、その中のひとりから、寒くなり始めたので厚手の着替えの用意もしておいてくださいねと教えられる。妻からは長袖のシャツがほしいと言われていたのだが、そこまで気が付かなかった。こういうとき、男は気が付かなくてダメだなあと思う。もっともそれは自分だけなのかもしれないが。
問題は、妻は綿の物がいいと言っているのと、派手な服は目立ってしまうので着たくないと言っていることだ。フリースとかがいいのだが、綿ではないし、他に暖かそうな服で地味なものが無いのである。
次に面会に行くまでにせめて綿以外のものも着てくれるか、地味ではない服でも着てくれるか、どちらかの考えが消えてくれればいいと思う。

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