不幸なのは、彼の視野が狭いということだ。僕たちを見ること、ありのままの僕たちを受け入れるのを拒んでいる。まるで違う惑星に暮らしているみたいだ
『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』という本がある。
第二次世界大戦においてナチス・ドイツは敵対する国の文化そのものを抹殺するために禁書、焚書を行った。一方でアメリカは戦地の兵士に向けて様々なジャンルの本を送り続けた。その数一億四千万冊。
武力による戦いだけではなく書物による戦いがあったということを知らしめる本だ。
読書というものがどれだけ人に希望を与えてくれるものなのかということを考えさせる本だったが、これはあくまで第二次世界大戦の話だ。今はどうなんだろうか、と読み終えてそう思った。
その問いに答えてくれるような本がこの本、『シリアの秘密図書館』だった。
シリアという国は日本からは遠く、そもそもいつでも紛争状態という印象がある。正直言えばあまり詳しいことは知らない。
けれどもこの国でも、虐げられた人たちに希望を与えてくれるのは一冊の本で、もちろんいつでもどこでもというわけではないがインターネットも使うことができてネットを通じて様々な情報を得ることはできるのだが、紙の本というのはそれ単独で読むことのできる記録媒体としてそこに書かれている事柄以上のものを読む人に与えてくれる。
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