月曜日の友達 2

読み終えて思うのは、こんなにも上手い絵を描く人だったのかということである。
キャラクターこそは写実的ではない誇張された造形であるけれども、それはあくまで顔の造作の部分だけであって、それ以外の部分はデッサンが整っている。背景もキャラクターとのバランスを壊さない程度に崩してあるけれども律儀といっていいほど整っている。
そんな中でモノローグを多用した台詞回しと真夜中の超能力トレーニングとどこか現実離れした世界でありながらも、そこで描かれているのは直球ど真ん中のボーイミーツガールだ。
たしかに登場人物たちはそれまでの作品と同様エキセントリックであるけれども、それ以上に純真で、見ていて眩しくなる。
ああ、こんな中学生生活を送ってみたかったという羨望も出てくるけれども、自分自身の過去を振り返ってみると、彼らとそんなに変わりのない中学生生活だったりもして、そうだよなあそうだったんだ、と少し納得すると同時に安心したりもする。
真夜中の校庭で超能力のトレーニングという肝心要の要素はあくまで物語の駆動力にすぎないと思っていたら予想外の方向へと進んで驚いた。いやそれは二重の意味であって、本当に超能力が存在したということと、物語としての終盤への加速力を超能力の発動という形で一気に進めて予想もしない世界を見せてくれたということだ。
そしてその後の静かなエピローグもまた素晴らしい。

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