海外の漫画というと、スーパーマンとかバットマンといったアメコミが一番最初に頭に浮かんでしまうのだが、そういったヒーロー物とはまったく異なるタイプの漫画ももちろん存在している。
そういった漫画はアメリカの場合、オルタナティブ・コミックと呼ばれる。
スーパーマンのような主流の漫画とは別の流れの漫画のことを指す。
日本でいえばさしずめ、つげ義春のようなガロ系の漫画といったところだろうか。
主人公はアイススケートの得意な女の子。
作者のティリー・ウォルデンも子供の頃にアイススケートを習っており、主人公は作者の分身でもある。
どこまでが作者自身の物語でどこからがフィクションなのかはわからないが、そんなことはどうでもいい。この物語が事実なのか作者の想像の物語なのかを知ることなど無意味だ。
主人公はスケートの才能に恵まれているのだが、だからといってオリンピックの選手になれそうなほどの才能はない。
毎日朝4時に起きてスケート場に行き練習をしている。
しかしけっして楽しそうではない。それなりにうまいけれども、そして自らの意志で毎日の練習をしているくらいなのだから誰かにやらさているとかそういったこともなさそうだ。でも楽しそうではない。
では彼女は何故スケートを続けているのだろう。
僕は中学生の頃、三年間部活で剣道をやっていた。
最初は、左利きは剣道が強くなれるということを聞いて、あまり苦労せずに強くなれるのだったら楽だなあというよこしまな考えで入部したのだが、そもそも痩せていて体力もなく、利き腕の左手で右利きの人と腕相撲をしても負けてしまうくらいなので、いくら左利きだからといって強くなれるはすずもなかった。
が、強くはなれないままだったけれども、というか強くもないので試合に出ることもなく、誰かに期待されるわけでもないので案外気楽で、体のできていなかった一年生の頃はともかくとして、それなりに体力もついてきた2年生くらいになると練習もそれほど辛くはなくなり、結局、弱いままだったけれども卒業するまで続けてしまっていた。
なので剣道が好きだったのかといえば嫌いではなかったという感じだ。
そんなわけだからなんとなくこの主人公の気持がわかる気がする。
この物語がアイススケートの話なのかというとそれだけではない。アイススケートを中心として彼女の学生生活や恋愛のエピソードがアイススケートという幹の部分から伸びてくるような形で描かれる。
アイススケートが好きだったのかどうかではなくってアイススケートそのものが彼女の人生の一部であって、だから彼女はアイススケートから離れることでようやくそれがなんだったのかを知ることができたのだろう。
スピン

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