来月の気になる本

河出文庫『お前らの墓につばを吐いてやる』ボリス・ヴィアン
講談社文庫『変愛小説集 日本作家編』岸本佐知子 編
新潮文庫『機巧のイヴ 2』乾 緑郎
ちくま文庫『赤い猫 短篇ミステリ傑作選』仁木悦子
ちくま文庫『貧乏まんが』山田英生 編
ハヤカワ文庫JA『死霊狩り〔ゾンビー・ハンター〕(全)』平井和正
ハヤカワ文庫HM『死刑囚』アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム
文春文庫『ミスト 短編傑作選』スティーヴン・キング
アトリエサード『ドラキュラ紀元一八八八』キム・ニューマン
文藝春秋『飛ぶ孔雀』山尾悠子
フランス人のボリス・ヴィアンがアメリカ人のフリをして書いたハードボイルド小説『お前らの墓につばを吐いてやる』が復刊します。
以前に早川書房から『墓に唾をかけろ』という題名で翻訳されていて、電子書籍化もされているのですが、実は積読のままです。今回の題名のほうがより外道っぽい題名なのでこっちのほうがいいなあと思うのですが、とりあえず積読の方を読まないといけませんね。
講談社文庫では岸本佐知子編集の『変愛小説集 日本作家編』が文庫化されます。先に『変愛小説集』として海外の作家の作品を集めたものが出ましたが、今度は日本人作家の作品を集めたものです。偏愛ではなく変愛としたところが恋愛と誤解させようとしているあたりが編者の意地の悪さというかひねくれているというか、個人的には大好きです。
新潮文庫からは乾 緑郎の『機巧のイヴ 2』が出る模様。実はまだ一作目も未読なので先にそちらの方を読まないといけません。
いろいろと個人的に興味深い本を出してくれているちくま文庫からは仁木悦子の傑作選と『貧乏まんが』の二冊が気になるところです。
後者は、青春、恋愛、犯罪、笑い…マンガが描く貧乏。という触れ込み。収録作家も、水木しげる、赤塚不二夫、永島慎二、水野英子、松本零士、つげ義春、楠勝平、谷岡ヤスジと、いかにもな路線です。
ハヤカワ文庫からは二冊。
平井和正の『死霊狩り(全)』とアンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレムの『死刑囚』です。
『死霊狩り』は角川文庫の電子書籍でも入手可能なのですが、あちらは3巻、こちらは一冊にまとまる模様です。
アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレムのこのシリーズも三冊目が復刊します。この感じだと翻訳を飛ばされてしまった4冊目も翻訳してくれそうなので楽しみです。
アトリエサードからは長らく絶版となっていたキム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』がいろいろとおまけの短編とかがセットとなって復刊します。続編の方も復刊される予定なのでこれも楽しみです。
しかし、来月の出版される本の中で一番の驚きは山尾悠子の新作長編がでることです。どんな話なのか楽しみ。
続いて漫画です。
カドカワコミックス『夢で見たあの子のために(2)』三部けい
少年チャンピオン・コミックス『BEASTARS(8)』板垣巴留
週刊少年マガジンKC『アルスラーン戦記(9)』荒川弘/田中芳樹
バンチコミックス『角の男(1)』山うた
ビッグ コミックス『重版出来!(11)』松田奈緒子
ビッグ コミックス『バイオレンスアクション(4)』浅井蓮次/沢田新
モーニングKC『ゴールデンゴールド(4)』堀尾省太
ビッグ コミックス『BABEL(1)』石川優吾
『僕だけがいない街』とどうよう、複雑な展開になりそうな三部けいの『夢で見たあの子のために』の2巻が出ます。1巻ではまだ物語が始まったばかりでどういう方向へと向かっていくのかわからないところで終わっていましたが、2巻ではどうなっていくのでしょうか。
刊行ペースの早い板垣巴留の『BEASTARS』は8巻。アルパカ殺しの犯人探しに物語の軸が向かう一方で学園を離れてこの世界の闇の部分へと進み始めたルイの物語も気になるところです。
不老不死の女性と、彼女の自殺を手伝う恋人の青年の切ない物語『兎が二匹』の作者山うたの新作『角の男』が出ます。物語だけではなく独特の世界観をもったあの絵でもってどんな世界を描いてくれるのか楽しみです。
堀尾省太の『ゴールデンゴールド』も4巻が出ます。どこまで話が膨らんでどのくらい続くのかはわかりませんが、そろそろ折り返し地点を回ったという感じなので、ここからどうまとめ上げていくのでしょうか。それともまだまだ続くのか。
不思議の国のアリスの次の石川優吾の新作は南総里見八犬伝。『BABEL』というタイトルがどのように八犬伝の物語とつながっていくの楽しみです。

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