任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代

電子書籍でセール品となっていたので初めて気がついたのだが、こんな本が出ていたことは知らなかった。
かつて、横井軍平に関することが書かれた本を読んだことがあったので基本的には横井軍平のことに関してはその本一冊で十分だと思っていたのだが、そのとき読んだその本の題名も、どこにしまってあるのかさえも忘れてしまっていたので安くなっていることもあって買ってしまった。
横井軍平といえば任天堂で活躍した開発者でそして「枯れた技術の水平思考」という考え方を実践し続けた人だ。
分野が違うとはいえ同じ技術者として、この「枯れた技術の水平思考」という考え方は僕の物の考え方の一つの方法として、いや基本的な考え方として僕の血となり肉となっている。
最新技術を常に使うのではなく既に広く行き渡った技術を持ってそれをどのように組み合わせて新しいものを作るのかということだ。
実際のところ横井軍平は最新技術を使いこなしてものを作るということに長けた人ではなく自分の長所をいかにして引き伸ばすかということを考えた結果、最新技術を使うのではなく既存の技術を使いこなすことで新しいものを作るという道を選んだのだ。
僕も同じようなものである。若い頃は新しい技術を身につける時間も能力もあったけれども、歳を取ると最新技術を追いかけ続ける体力もなくなってしまう。必然的に何か一つに絞らざるを得なくなるのだが、最新技術というのは必ずしも生き残る技術ではない。一つに絞った結果それが無駄に終わる可能性もあることを考えれば、たどり着く結論はひとつだ。
そんなふうにして今も僕は横井軍平と同じように、暇な時間を見つけては枯れた技術を組み合わせてちょっぴりと楽しんでいる。

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