菜時記 卯月/甲戌

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
今の状況から劇的に改善されるということなど望むべくもない。妄想は根強く残ったままであり、おそらくは消えることなどなく、歳をとればその妄想は強化されていくことだろう。
妄想を信じることは妻にとっては、自分と世界とをつなぎとめる唯一の手段でもあるのかもしれない。
だから僕は妻の妄想を受け入れるということをするしかないのだろう。
菜時記 卯月/甲戌
近所の牡丹桜は満開だが、あちらこちらの桜も散り始め、このまま暖かくなっていくかと思いきや一転して週末は寒くなった。
今週もいつもの店へと買い出しに行く。
長ネギが2本で170円。先週までと比べると安くなったので買うことにする。しかし、それまでの安かった長ネギと比べると高いのだが、あまり気にしないことにする。
キャベツは1/2カットで149円。ひょっとしたら次の店のほうが安いかも知れないのだが、とりあえずこの値段で妥協しておく。
地元野菜コーナーでは小ぶりの大根が108円、大きさ的には普通の大根の1/2より少し長い程度のものなのでそれほど安いというわけではないが、かごに入れる。
細切れのブロッコリーもあったのだが、値段に見合うないようかというとそうでもないので今回は見送る。
ほうれん草は一束108円。安いので買うことにする。
もやしが二袋で10円という破格の値段だったので飛びつきそうになったのだが消費期限が本日。悩むところなのだが、今日中に食べるということを考えるとそこまでして買う必要があるわけでもないので買わずに普通の値段のほうを買う。
レジで精算して次の店へ。
と、次の店が近づいていくと、手前にあるJAの店の駐車場が満杯である。ひょっとしたら、と思いつつ次の店へと向かうと、予想通り、車が混雑していて、駐車場は一杯のうえに、道の端に止めている車が数珠つなぎである。
なんとか少し離れた場所の駐車場に車を止めて店に入る。
こんなに混雑しているということは特売日ということなのだが、入った直後はそれほど混雑はしていない。
あまり気にせず店の中央部までいくと人が止まっている。
動いている人がほとんどいないのである。
全員レジ待ちである。
過去にも特売日とぶつかってしまった事があったし、その時もレジ待ちの人の行列が数珠つなぎだったけれども、これほどまでの長さではなかった。とにかく店の中央から先へ進むことすら困難なのである。どこがレジ待ちの最後尾なのかもわからないし、というかとりあえず必要なものか書い終えたのでとにかくレジ待ちの最後尾をみつけて並ぶことにする。進んでいく途中でめぼしいものがあったらかごに入れる予定だ。
ということで並び始めて40分ぐらいしてようやく精算することができた。
卵が10個95円、豚肉が300gで220円というのが今回の収穫。

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