『偽文士日碌』筒井康隆

著:　筒井康隆
販売元／出版社:　角川書店
発売日:　2013/6/27

Web上でほぼ全文を無料で読むことができるのだが、なんだかんだいって電子書籍で買って読んだ。
かつては筒井康隆のファンで、出る本は必ず買って読んでいたのだが、『虚航船団』あたりからだんだんと読むことが減り、今では新刊が出てもほとんど読むことが無くなってしまったのだが、この本を買って読んだのは一時の気の迷いというかなんとなくその場の勢いにまかせてしまった部分もあるし、小説はともかくとしてエッセイであればという気持ちも無きにしもあらずといったところだ。
だからといって買ったことを後悔するようなことはなく、それなりに面白かった。
それなりというのはやはり昔のようなパワーがなくなっていたという部分が大きい。
それでも、この連載が始まった時の作者の年齢を考えると、パワフルだし、御三家の一人である小松左京と比べると格段の開きがある。もちろん単純にパワフルであればいいというものではないのだけれども。
作品に対する裏話的な部分は興味深く読むことができたのだが、作者自身も書いているように、Webでの連載ということで、発表のタイミングの問題で書くことができない内容があったりして、そのことを思うと、この連載が雑誌の連載であったとしたらもう少しいろいろなことがあからさまに書かれていたかもしれないことを思うと少し残念な気もする。