菜時記　弥生/庚申

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
昔は時々、老後はこういうことをしたいということを妻は言っていたが、次第にそういうことを口にすることはなくなってきた。それは僕たちが老後に近づいてきたからだというわけではない。希望の持てる老後などないかもしれないと思うようになってきたからだ。
菜時記　弥生/庚申
いろいろと忙しかった３月も終りを迎え始め。その一方でとりあえず考えずにいたこの先のことに関して考えなければいけないのだけれども、なかなか踏ん切りがつかない。
ついつい、それに関してはまた今度でいいだろうと先延ばしにしてしまいがちである。
ここのところブロッコリーが安い。一株105円だ。そのわりには買っている人がほとんどいないので少し不安になるけれども、地元野菜コーナーにあるブロッコリーよりも安いので買うことにする。
キャベツは1/2カットで149円。
長ネギは先週と同じ値段だったので素通りすることにして、地元野菜コーナーで大根が1本105円だったので買うことにする。
じゃがいもと玉ねぎが欲しいのだが、新じゃがと新玉にすると少し高くなってしまう。悩んだ末にじゃがいもは新じゃがにして玉ねぎは普通の玉ねぎにする。後から考えると逆のほうが良かったのだが、まあ仕方がない。
キムチを買おうと漬物のコーナーに行くと、品数が少ない。張り紙がしてあって、白菜の不作によって品薄状態のようである。
レジで精算して次の店へと向かう。
長ネギがワケありとなっているが4本入ったものが138円。どこがワケありなのかわからないけれども、ありがたい。
トマトも4個で213円。先週と同じく気持ちのよい買い物ができた。