体と対話する

歳をとると体が思うように動かなくなってくる。
もちろん運動不足というのも原因の一つなのだが、そればかりでもない。
朝、目が覚めて布団から起きようとするのだが、体のあちこちが痛くて起き上がることができない。
若いころはそうでもなかったなと思う。
まるで、自分の体が自分の体でないような、言い換えれば、自分の体がバラバラに動いていてまとめることができない、そんな状態でもある。
胃のあたりでは、
「そんなに急激に動くから胃液が出っぱなしになってしまったじゃないか」
心臓のあたりでは、
「睡眠モードから活動モードにシフトチェンジするのに時間がかかるから、もっとゆっくり動いてくれ」
腕のあたりでは、
「関節はまだ調整中だから、体をささえることはできない」
足のあたりは、
「こちらもようやくアイドリング状態に入ったばかりだから、起き上がってもバランスをとる保証はできない」
と、毎朝あちらこちらからそんな悲鳴にも似た声が聞こえてくる気もする。
しばらく横になったまま、自分の体の声に耳をかたむけ、そろそろ、動いても大丈夫かな、と自己問答をする。
不便でもあるが、自分の体と対話する朝の日課はそれなりに楽しくもある。

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