スーパーマン:アメリカン・エイリアン

確かにお前は普通じゃないのかも。でもそれの何が悪い? なんで普通の必要がある?

スーパーマンは超人でさらには健全な精神の持ち主で、ようするに完璧すぎるキャラクターなのであまり面白味がない。
とはいえども映画化されたスーパーマンの物語なんかを見ると結構面白いのはそこからどう人間らしさを引き出すかという部分がうまく出来ているからかもしれない。
というわけでアメコミの中のスーパーマンを見ても、アメリカではなくロシアに落ちて、そこでロシア人に育てられたとしたらスーパーマンはどうなっていったのかという物語の『スーパーマン レッド・サン』や、スーパーマンになるまでの部分を描いた『スーパーマン・フォー・オールシーズン』なんかは面白い。
映画におけるアメコミの場合、ある程度シリーズが続くとそこで一旦シリーズを終わらせて最初から描きなおすということが多々ある。その場合、主人公がヒーローになるまでの部分を描きなおすことになって、アメコミの用語でオリジンと呼ばれるのだが、これが嫌いだという人もいるけれども、僕は結構好きで、できればシリーズの第一作だけ延々とリメイクし続けてもらってもいいくらいだ。というのはちょっと言い過ぎだが。
この本もスーパーマンがスーパーマンになるまでの7つの物語で、それぞれ絵を担当している人は異なっている。
最初のエピソードはクラーク・ケントがまだ幼い頃の話で、突然空を飛ぶ能力を得るのだが、それをうまくコントロールできずに悩む話だ。
次は高校生のころのエピソードでその頃になると自分が地球人ではないことを知っていてそして仲の良い友だちもそのことを知っている。全然孤独じゃないのだが、自分の力をどう扱えばよいのか、そして正義のために使うということに戸惑いを見せる。
三話目はちょっと変わっていてクラーク・ケントがブルース・ウェインに間違えられるという話だ。ブルース・ウェインはバットマンの正体で、億万長者である。
冒頭で、オリジンだったら何度でも見たいと書いたのだが、ここまで完成度の高いオリジンを見ると、もうこれ一作だけで十分じゃないかと思わせられる。

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