空挺ドラゴンズ 3

『ダンジョン飯』が迷宮内に生息するモンスターを調理して食べるという物語であるのに対して、こちらは食べるモンスターをドラゴンのみに絞っているということで随分と限定的でそれで大丈夫なのかと最初は思ったが、心配することなどまったくなかった。
『ダンジョン飯』が5巻に入って食べることからもう少し大きな外枠の部分へと展開させていった、つまりディティールを描くことからそのディテールによって組み立てられた全体像の方へと視点を広げていったのに対して、『空挺ドラゴンズ』は最初から全体を描いていたからだ。
だからドラゴンを食べるということは主眼ではなく、世界を描くための一つの方法にすぎない。
一方で、食べる食材をドラゴン一種類に絞ったことで様々な調理方法が描かれ、これもまた幅広さを感じさせてくれる。もっともどちらがいいというものではないので、こうして同時期に同じようでいて正反対のアプローチをする漫画を読むことができたというのは幸運でもある。
今回はさらに、そう来たかという展開で、食べるためとはいえ殺す対象であるドラゴンとの交流という部分が描かれる。主人公とドラゴンが再び相見える事があるかといえばおそらくは無いのだろうけれども、次に相見えたときには主人公はドラゴンを殺さなければならない。ひょっとしてこの先、そんなエピソードが描かれるのかもしれない。楽しみである。

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