菜時記　神無月/壬申

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
いつになったら私は解放されるの？
と妻は僕に尋ねる。
妄想に取り込まれている以上、開放されることなど永遠にやっては来ないし、妄想を否定する形となる答えは妻には届かない。
これは答えを僕は知っていながらも答えてあげることの出来ない妻からの問いだ。
菜時記　神無月/壬申
キャベツが1個105円である。
安いのでそのまま買おうかとも思ったのだが、分量的には1/2カットでもかまわないので1/2カットを買うことにする。1個買いと比べると少し割高になるが、1個買ったとしても腐らせてしまうかもしれないことを考えると1/2カットで充分である。
アボカドは138円だったがめずらしく程よい熟れ具合、つまりまだ固い状態のものがあったので買うことにする。
白菜は1/4カットで84円。
続いて地元野菜の店に行く。
長ネギが安いことを期待したのだが、2本で90円と先週よりも高い。しかも1本が細いのでこれだったら次の店の105円の長ネギを買ったほうが良い。胡瓜が3本で85円、人参が3本で86円だったので買う。
最後の店へと向かう。
長ネギは2本で105円だと思っていたら3本で98円だったので嬉しくなる。トマトが6個で278円。キャベツは1/2カットで81円だったりと今回はいろいろと安値で買うことができた。