象牙色の嘲笑

新訳で出たのが2016年4月だから長いこと積ん読にしておいたものだ。
もっとも、同じロス・マクドナルドの『運命』も2014年ぐらいに買ったままなので、先にそちらの方を読まなければいけないのだが、残念なことに何処に置いたのか行方不明の状態だ。
そもそも、ロス・マクドナルドの『運命』を買ったのはそのしばらく前に復刊したロス・マクドナルドの『さむけ』を読んで、こんなに面白かったのかと目からウロコが落ちる思いをしたせいだが、勢い、買ったはいいけれども、積ん読にしてしまった。
話がだいぶそれてしまったので元に戻そう。
積ん読にしていながらも『さむけ』を読んだ時の衝撃というのはずっと残っていて、今回新訳で出た『象牙色の嘲笑』も新訳で出すくらいなのだから『さむけ』に匹敵するとまではいかなくとも面白いだろうと思った。『象牙色の嘲笑』という題名もなかなか良い。
しかし、初期の作品だけあって、ロス・マクドナルドが作り上げた探偵、リュウ・アーチァーも後期の作品と比べると荒々しく、勝手に人の家に忍び込むは、アクションシーンはあるはで、後期の作品しか読んでいなかった身としては少しばかり違和感があった。
しかし、行方不明となった女性を探すという依頼から始まった物語がやがては殺人事件に発展し、そこから別の行方不明の人物の存在、さらには依頼者の裏の顔、とリュウ・アーチァーは次から次へと真実を表に引きずり出していく。
まったくもって情け容赦ないというか、なにしろ犯人ですらも、終盤の探偵との対峙する場面でリュウ・アーチァーにとことんまで追い詰められて、どうしてここまで私を苦しめるのかと吐露してしまうくらいなのだ。
さて、次は積ん読のままになっているロス・マクドナルドの短編集の方を読もう。

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