ウサギのハルに対する感情は、恋愛感情ではなく、捕食対象に対する狩猟本能に過ぎないと指摘されたことに悩むハイイロオオカミのレゴシ。
一方で、レゴシに恋心を抱くレゴシと同族の女の子、ジュノの登場によってレゴシを取り巻く恋模様は複雑になっていくが、4巻ではさらにアカシカのルイがウサギのハルと関係を持っていることが判明し、さらに複雑になっていく。
あいかわらず、1巻でのアルパカ殺しは謎のままなのだが、この世界における、肉食動物の食殺が極めてまれな例外的な事件ではなく、日常的に起こっている事件であることが描かれ、同時にアカシカのルイの隠された過去が明るみになる。
単純な動物学園ものという範疇では収まらない様相を見せ始め、その一方でレゴシの不器用な恋愛物語はそのまま物語の縦糸として存在し、少しづつレゴシ自身も成長していく兆しを見せていくのだが、時折垣間見せる肉食動物としての顔が、不安定な危うさと不気味さを醸し出す。
隕石祭を間近にして、次の巻も危うい展開をみせようとする。
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