2005年に美術版ブラック・ジャックとも言える細野不二彦の『ギャラリーフェイク』が完結して、その後、2012年の東日本大震災を題材として前後編の話を描いたことがあったけれども、まさか新刊が出るとは予想もしなかった。
もちろん世の中には一度完結した物語の続編もしくはその後の物語が描かれることは少なくないけれども、その場合はタイトルに続編であることを思わせる単語が追加されたりして、旧作とは異なる形になるのが大半だ。しかし『ギャラリーフェイク』の場合はタイトルもそのまま、巻数が前巻の続きの33巻である。
まったくの地続きだ。
震災復興支援として出た『ヒーローズ・カムバック』に収録された作品も含めてそれ以降に描かれた作品が収録されているのだが、その内容はといえば、安定した高品質の内容で、11年という月日をまったく感じさせない。そのせいか、主人公たちの人間関係の問題もまったく進展していないのはご愛嬌。
同時に発売された『細野不二彦短編集2』の方にも番外編的な「ギャラリーフェイク」の短編が収録されている。
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