菜時記 葉月/癸未

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
普通の夫婦であれば当たり前のようにできることでも僕達夫婦にはとてもむずかしくなってしまったことは数多い。しかし不思議とそのことで不幸だとは思うことは少ない。
ただ、当たり前のことでもできないということを理解してもらえない時があり、そういう時は少しだけ悲しくなる。
菜時記 葉月/癸未
今週は先週決めたとおり、別の店に行く。
到着したのが朝で、まだ早かったせいか品揃えが悪いのだが、どこに何が売られているのかもよくわからない状態なので、ぐるりと一通り回るつもりでのんびりと見て回る。そのうちいろいろと揃いだしてくるだろう。
野菜は若干高めなのだが、それでもピーマンが1袋5個で87円、長ネギは2本で158円。もっとも長ネギはここでは買わずに別の店で買う予定なのだが。
地元野菜も揃っていて、ナスは3本で147円、胡瓜は3本110円、玉葱が3個で147円と悪くはない。
キャベツが1/2カットで67円。1個まるごと買うか悩んだが、1/2カットを買う。
もやしは28円と高いが、この値段が普通だからとくに悩むことなくかごに入れる。
練り物のコーナーに行くと、いつもの店ではいつの間にか売られなくなってしまったまぐろハンバーグが売られていたのでかごに入れる。1個97円である。
かって知らない店なので、やはりどこに何があるのかわからない。いろいろとウロウロしているうちにに一周どころか三周くらい回って、ようやく買わなければいけないものを買い揃えることができた。
精算してみるとちょっと買いすぎたかなという金額だったが、気分もちょっと変わったので悪くはない買い物だった。

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