菜時記 水無月/丁卯

妻が統合失調症を発症し、入院し、そして退院後、一年半程は僕と一緒であればなんとか買い物に出かけることができた。
しかし次第に、人目が気になりはじめ、買い物に出かけることが困難になってしまった。
だからそれ以降は僕が日用雑貨を含め一週間分の食料を週末に一人で買いに行くようになった。
菜時記 水無月/丁卯
店に入ると目の前にあるのは北海道フェアのコーナーだった。
その隣では名古屋の味噌カツが売られている。
何か買おうかと思いつつも、今ひとつどれもしっくりとこない。他の買い物をして、それでも気になったら何か買おうと、先へ進む。
長ネギは2本で192円。先週と同じだったので、ここで買ってしまう。
キャベツは1/2カットで95円、少し高くなったがそのまま買うことにする。ぶなしめじが1個で84円。その隣には2個で105円というものがあったが、1個で十分なので少し釈然としないものを感じながらも84円の方をかごに入れる。
ピーマンは6個で169円。お得そうに見えるがそれほどお得でもない。
まだ緑色の状態の熟していないアボカドが珍しく売られていたので138円だが買うことにする。
そんな風に買い物をしていくといつのまにか北海道フェアのことなど忘れてレジで精算をしていた。
続いて次の店へと行く前に久しぶりに地元野菜の店へと寄ることにする。というのも人参が良いものがなかったのだ。
店に入ると狙い通り、程度の良い人参が売られている。一方で長ネギが2本で105円。この店に寄るのであれば先の店で買うのではなかったと後悔する。

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