菜時記 皐月/己丑

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
妻はときおりこんなことを言う。
「私のような人間と結婚してあなたはハズレを引いてしまったわね」
そんなことはないよ、と答えるのだが、この言葉が妻に届いているのかどうなのかはわからない。
ただ、届いていなくても、この言葉が僕の本心であることに変わりはない。
菜時記 皐月/己丑
先週と同様、店頭ではジャガイモ、玉ねぎ、ピーマンの大入り袋がお買い得品として売られている。
今年に入ったあたりから妻も僕も食が細くなり、それが良いことなのかといえば必ずしも良いわけではないが、少なくとも食費というレベルで言えばお金がかからなくなってきていて、結果としてあまりたくさん食材を買う必要がなくなってきている。
なので、いくらお得とはいえ、たくさんは必要がないので、日持ちするものであればともかくとして日持ちしないものは買いこんでも余らせて腐らせてしまうだけである。
ということで、ピーマンも玉ねぎも数の少ないものを買う結果となる。
長ネギは久しぶりに2本で128円。迷うことなくかごに入れる。いや、かごに入れる前に、本当にこの値段なのか確認してしまったが。
キャベツは1/2カットで108円、これも悪くはない値段だ。
地元野菜コーナーではほうれん草が136円。ブロッコリーも欲しかったがこちらは売られていなかったので、今回はあきらめる。
先週買わなかったそら豆が今週も売られていたので、買うことにする。問題はどれを選ぶかなのだが、さやが長くて一つのさやにたくさんの豆が入っているものを選ぶか、さやが短くて、個数の少ないものを選ぶかだ。値段のつけ方はおそらく重さなので、短いものがたくさん入っているものを選ぶのが得なのかそれとも、長いものが入っているものを選ぶのが得なのか、いったいどちらなのだろう。それともどちらも変わりはないのだろうか。
レジで精算すると、予想よりも安く済んだ。
次の店では、トマト4個で198円、魚介類コーナーでは焙りタコが売られていたので買うことにする。
総じて良い買い物ができた。

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