統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
昔は時々、老後はこういうことをしたいということを妻は言っていたが、次第にそういうことを口にすることはなくなってきた。それは僕たちが老後に近づいてきたからだというわけではない。希望の持てる老後などないかもしれないと思うようになってきたからだ。
菜時記 弥生/丙辰
店頭では新玉ねぎが安く売られていたのだがあいにくと今回は玉ねぎは買う予定がない。
果物コーナーではイチゴが安く、しかも先週よりも安い。
失敗したと思ったのだがよく見ると先週買ったものとは種類が違う。イチゴの種類と値段の関係に関してはあまり詳しくはないのだが、似たような種類であっても微妙に値段の違いがあるようだ。
長ネギは2本で214円と高い。出かける前にチラシをチェックしたのだが、次に寄る店でも安売りはされていなかったので、ここで買うしかない。地元野菜コーナーへ行くと、地元産の長ネギが2本で150円。白い部分は短いのだが、しかし、今回は150円という値段を考えるとお得な長さだったので、これを買うことにする。
続いてレンコンもほしかったのだが、あいにくと手ごろなものがないのであきらめる。アボカドもほしかったのだが158円と高いので今回はあきらめる。
歳を取ったせいか妻も僕も食が細くなったようで、野菜に関しては先週の残りがだいぶあるので、今週はあまり買う必要がない。
それでいてレジで精算すると思っていた以上の金額になったので、野菜はそれほど高くはないのだなと実感する。
続いて次の店では脂カレイの切り身が安かったので買うことにする。安さだけに注意を払っていると毎回似たような食材になってしまうので、たまには変わったものも買うようにしないといけない。
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