菜時記 弥生/己酉

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
昔は時々、老後はこういうことをしたいということを妻は言っていたが、次第にそういうことを口にすることはなくなってきた。それは僕たちが老後に近づいてきたからだというわけではない。希望の持てる老後などないかもしれないと思うようになってきたからだ。
菜時記 弥生/己酉
店に入るとお彼岸の時期ということでお彼岸の商品が目に付く。
おはぎがあったので、ついつい手に取り、かごに入れてしまう。それほど好きというわけでもないのだが、めったに食べるものでもないし、年に数回しか食べないのだからという理由だ。しかし、春に食べる場合はおはぎではなくぼたもちと呼ぶのが正しいようだ。
その先では店員さんがイチゴの試食を行っていた。
試食は食べなかったのだが、安売りということだったので、これもかごに入れる。
なんとなく今日は雰囲気に飲まれた買い物をしてしまうようだ。
長ネギは214円。高いので、地元野菜のコーナーを見に行くのだが、今週は地元野菜コーナーにある長ネギもあまり良いものがない。白い部分が短すぎるのだ。もちろん3本セットもあるのだが、あまりお得感がしない。
しかし事前にチラシをチェックしておいたので、長ネギに関しては次の店で148円で買うことができることを知っている。ここは気にせず素通りをする。
かぼちゃが先週と同じく安い。1/4カットで100円以下なのでかごに入れる。
大根は地元野菜コーナーで短いものだが80円のものを買う。ここまでは順調だ。
続いて次の店へ。
チラシに掲載されていたとおり、長ネギが安い。しかも白い部分が長い。
キャベツがこちらの店のほうが程度の良いものがあったのが少し残念だったが、それ以外ではおおむね良い買い物ができた。

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