SF小説から読み解く人工知能 『われはロボット』

カレル・チャペックの『R・U・R』という小説の中で初めてロボットという言葉が誕生した。
この小説の中でのロボットは考えるということはできるが、プログラムされた事以外は考えることのできない。
しかし物語の途中でロボットは人間に対して反乱を起こしてしまう。
それはロボットに魂を与えたからである。
カレル・チャペックの『R・U・R』が書かれてから20年後、アイザック・アシモフは、のちに「ロビイ」という題名に改題される短編「Strange Playfllow」を書いた。そしてそこから始まる一連のロボットSF『われはロボット』が生まれた。
アイザック・アシモフの『われはロボット』はロボットSFの中のでも重要な位置に位置付けられている小説である。
この本を有名にしたのはロボット工学三原則という概念だ。

第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

ロボットSFというと、日本では手塚治虫の『鉄腕アトム』が有名だが、鉄腕アトムの世界でもこのロボット工学三原則が基本原則として使われている。
ロボットの頭脳となる陽電子頭脳というものがこの原則を前提として成り立つ仕組みになっていて、ロボット工学三原則はソフトウェアとして組み込まれているのではなく、陽電子頭脳というものが成立するために必然的な要素、つまりハードウェアとしてなりたっている。
よくできた原則のようにも見えるのだが、アシモフの物語ではこの三原則に違反するような行動をするロボットの話というものがメインであり、アシモフの物語は結果としては三原則に違反には違反することはなかったという結論になるのだが、それは同時にこの三原則を守らせる人工知能を作ることが難しいという可能性をはらんでいて、その問題はフレーム問題と呼ばれている。

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