週刊 5巻以内で完結する傑作漫画99冊+α 97/99

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  1. 『I KILL GIANTS』ジョー・ケリー(作)、ケン・ニイムラ(絵)
    外務省が主催する第5回国際漫画賞で最優秀賞を受賞した作品。
    頭にうさぎの耳が付いている少女が主人公で、しかも題名が『I KILL GIANTS』と巨人を倒す話しである。だからてっきりファンタジーだと思ってしまうのは間違いで、そこで語られる物語は現実的でちょっと戸惑ってしまくらいにかなり深刻な話だ。
    深刻だといってもここで描かれる物語はそれほど特異でもなく今までなかったような新しい物語でもないのだが、主人公がTVゲームではなく、テーブルトークRPGで遊んでいるところや、ある重要な言葉が吹き出しの中で黒く塗りつぶされているという表現方法、そして主人公がカウンセリングを受けていることなどなど、日本とアメリカとの文化的な違いが、ここまで物語として異なるアプローチの仕方になるということは興味深い事柄でもある。いうなれば主人公が抱える問題に対する作者のアプローチの仕方が極めて西洋的であり、論理的なのだ。日本でもアメリカでも多感な時期の子どもたちが抱える悩みに変わりはないけれども、それを漫画で表現するとこうも違う形で描かれるというのは興味深いことだ。

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