車の一年点検をおこないにディーラーへと行き、点検が終わるのを待っていたところ、途中で整備士の人が来て、バッテリーが弱ってきていて交換したほうが良いと言われた。
ついでだったので交換してもらおうと思ったのだが、そこまで想定していなかったのでお金の持ち合わせがない。クレジットカードも持ち合わせていなかったので、しかたなく今回は交換を断ったのだが、点検が終わり家に帰った後で近くのカー用品店でバッテリー交換をしようと思った。まあ、バッテリーの交換くらい自分でできるのだが、自分で交換する手間と交換済みのバッテリーを再度店に持っていく手間を考えると、そのままその店で交換までしてもらったほうがよい。
ということで、点検が終わった後、一度家へ戻りそしてカー用品店へと向かう。
あまり大きな店ではなかったせいか、置いてあるバッテリーのメーカーは一種類で、メーカーの選択肢はまったくない。
となると、選択肢はバッテリーの容量だけしかない。
標準の容量を基準に考えると、一番安いもので十分となるのでもはや選択のしようがない。
選択肢のない買い物ほどつまらないものはないわけで、これはどうしようかと悩んでいたところに店員さんが話しかけてきた。
てっとりばやく買い物を済ましたい気持ちもある反面、選択肢が増える可能性もあるかもしれないということで店員さんの話を聞く。
容量の少ないバッテリーでもつけることは可能で、自分もつけたことがあったが、10ヶ月でダメになってしまったうえに、3年保証も効かなかったとか、今は一番大きい容量のものを載せているけれども、4年は持つとか、一番容量の大きい物は、パッケージの箱にも書いてあるようにオーディオの音質が良くなるとか、そういった話が次から次へと出てくる。
なるほどおもしろいなあと思いつつも、最後の音質が良くなるというのはいったいどういう原理からなのだろうかと少し気になった。あくまで気になっただけなので質問することまでしなかったのは、カーオディオの音質を良くするということにまったく興味がなかったのと、オカルトじみた感じがしたからでもある。おそらく容量が大きくなればそのぶん電圧が安定するからその影響なのかもしれないが、しかし、その程度で体感できるほどよくなるとは思えない。それだったら別のところにお金をかけたほうがよさそうだ。
次に気になったのは、店員さんのバッテリーは4年持ったということだが、僕の今のバッテリーも標準容量で4年持っている。もっとも、バッテリーの持ち自慢をするつもりはないし、せっかくいい気分で話している店員さんの気分を害するようなことを言ってもこちらにはデメリットしかないのでそのことは黙っておいた。
そして最後、この店員さんは一番容量の少ないバッテリーをつけたことがあるということなのだが、以前にも似たようなことがあった事を思い出した。
それはこの店でタイヤを買った時のことで、その時の店員さんは別の人だったが、その人も一番安いタイヤを履いたことがあったけれども、燃費は悪くなるは雨の日の安定性は落ちるはと買って後悔したという事を言っていた。
この店の店員さんは自分の店で売っている商品の最低ランクのものを一度は使ってみるという何かしらの決まり事でもあるのだろうかと気になってしまう。
それ相応の知識があるのであればそういう安物買いの銭失いということはしないようにも思えるのだが、何事も自分の目で見て、体で感じて体験しなければ気が済まない人たちばかりなのだろうか。
ということで次は何をこの店で買おうか考えているところである。その時にもここの店員さんに最低ランクの商品を貶してもらいたい。どんなふうに貶してくれるのか楽しみだ。
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