予告より若干、遅れたかな、という感じではあるけれども、ほぼ予告通りに四巻が出た。
1年以上も間が開くと、前巻がどんな感じで終わっていたのか忘れてしまっているのを思うと、歳は取りたくないものだと思うのだが、しかし物語としてはそれほど大きくは進展しているわけではない。
しかし、全く何も進展していないというわけではなく、あちらこちらといろいろな部分で少しずつ進展している。前巻から始まった主人公の変化もそうなのだが、物語の大局的なレベルでみれば、ファーストとセカンド、第一移民と第二移民との間での交渉というものが描かれ、そして移民グループたちとはまた別のレベルで大きな存在があることがさりげなく語られていたりして、この物語の背景となる部分の大きさにびっくりすると同時にうれしくなってしまう。
同時に、この物語を支える骨格の部分でもある転送器官に関しても今までの前提を覆すかのような驚きの事実が語られ、いや、もう、異星生物を子宮の中で育てるという設定が、よりグロテスクな状態でこの先描かれる可能性が見え隠れし始めるのだ。
しかし、それだけでは収まらない物語の奥行きの深さに、次巻は来年の夏ということで、また待ち遠しい日々が始まる。
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