『煌夜祭』多崎礼

  • 著: 多崎 礼
  • 販売元/出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/5/23

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年に一度の冬至の夜、煌夜祭というものが開かれる。
語り部たちがあつまり、ひとりひとり、自分の持っている物語を話し始める。
この世界には魔物と呼ばれる不死の生き物がいて、この魔物は冬至の夜になると人を食らう。しかし、語り部たちが物語を話している間は人を食べることはしない。
そして、語り部たちは夜が開けるまで物語を語り続けるのだ。
この基本設定だけでもわくわくしてくるのだが、語り部たちが話す物語が進むにつれて、この世界の様相が少しずつ見え始め、そして語り部たちの話す物語も一見無関係のバラバラな話のように見えて実はつながりがあり、そのつながりは少しずつ見えてくる。
そういう点ではものすごく丁寧に作られたお話で、そして物語のつながりと全体の構成も凝った造りになっているし、物語の世界設定だけけみても、この一冊だけで終わってしまうにはもったいないくらいの密度もある。
ただ、それだけに綺麗にまとまりすぎているのが逆に不満にもなってしまって、賞に応募する作品である以上、それはつまるところ無い物ねだりなのだろうけれども、もう少し破綻していてもよかったのかなとも思ってしまう。
読者ってのはつくづくわがままなのだ。

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