僕は作家でもないし、何かに連載をしているわけでもないので連載終了という言葉に特別な思惑や感情を持ちあわせてはいないのだけれども、何かに連載をしていてなおかつそれが生計の糧だったとしたら連載終了という言葉は恐ろしい言葉だということは想像することができる。
いまでこそ漫画雑誌は読まなくなったけれども、2000年くらいまでは少年ジャンプや少年サンデー、少年マガジンは毎週買って読んでいた。
それ以前はさらにその他の漫画雑誌も読んでいたので、主要な漫画の半分くらいは読んでいた時期もあったが、徐々に雑誌を読まなくなっていったのは読みたい本が増えすぎてしまったせいもある。漫画雑誌を読む場合はとにかく嫌いな漫画であっても、掲載されているのであれば必ず読んでいた。嫌いなものでも苦手なものでも食事として出されたものは残さず食べるという感覚に近いものがある。もっとも単に貧乏症というせいかもしれないが。
というわけで、この漫画の作者、巻来功士の漫画ももちろん読んでいた。好きか嫌いかといえば苦手といったほうがいいのだが、それは絵柄の面に関してであって、物語の内容に関していえば嫌いではなかった。
が、巻来功士の漫画はやはり一般受けするタイプの漫画ではなく、多分、当時の少年ジャンプの方針がそうであったからなのだろうか、何度も短期で打ち切りになりながらも定期的に新作が連載されていた。
考えてみれば荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』だって、第一部はいつ打ち切りされてもおかしくない雰囲気の漫画で、火事で燃え盛るジョースター家の中でジョジョがディオと一緒に死のうとするところなどは、あれで物語が終わってしまって何の不思議もない展開で、次の週にジョジョが助かっていたという展開になったときは驚いたくらいなのだが、お互いに似たような作風の荒木飛呂彦と巻来功士との違いがどこにあったのかといえば荒木飛呂彦のほうが陽で巻来功士は陰だったせいかもしれない。
それはそうとして、こうしてブログを書いているというのもある種の連載のようなものなのかもしれないが、だとしたら連載終了と言ってくるひとが現れてくれないものかと思うこともたまにある。
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