とある本を読んだ人の感想の中で、確信犯という言葉を正しい意味合いで使っているのを久々に見た。という記述があった。
僕もその少し前にその本を読んだばかりだったのだが、生憎と確信犯という言葉が使われていたという記憶がなかったので、もう一度該当の箇所を探して読みなおしてみた。
確かに正しい意味合いとして確信犯という言葉が使われている。
もっとも、一冊の本が出来る過程において、編集者や校閲者という複数の人によるチェックが入るうえに、そのチェックは数回行われるのだから、確信犯という言葉が正しくない意味合いで使われる可能性はかなり少ないはずなので、正しい意味合いで使われることは不思議でもなんでもない。その本の中で確信犯という言葉は地の文ではなく登場人物の一人の言葉として使われていたが、その人物は記者という設定であったのだから本来の意味として確信犯という言葉が使われるのは当然のことでもあった。
少し前の事になるのだが、僕よりも年齢のいった方が「敷居が高い」という言葉を使ったことがあった。前後の文脈から判断するならば「ハードルが高い」という意味で使われたようである。
あまりうるさいことをいうつもりはないのだが僕は、ある程度の歳のいった人がこの言葉を使う時は、本来の正しい意味、つまり、不義理があって行きにくいという意味で使う事のほうが多いのではないかと考えているので、この言葉を使われた時に最初は意味が判らなくて混乱してしまった。
確信犯も敷居が高いも誤用の方が多いのだから誤用の方の意味として捉えればいいのではないかと考える人もいるかもしれないが、先のように、書籍の中では誤用の使われかたをすることはほとんどない。
同じように誤用が多い言葉として、役不足という言葉がある。
僕はプログラムを書くことを生業としているが、それに関してはわりと自信過剰な面があって、難しいプログラムを書くことに対してはやる気がでるが、簡単なプログラムを書くことは面倒でやる気が起こらない。なので、簡単なプログラムを書かなくてはいけなくなった時など、このプログラムは僕には役不足だ、と言いたくなるのだが、言った相手が役不足という言葉の意味を正しく解釈してくれる可能性は少ない。
なので、面倒だなと思って言葉を濁してしまうのである。
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