週刊 5巻以内で完結する傑作漫画99冊+α 38/99

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  1. 『洞窟ゲーム』まどの一哉
    漫画家としてデビューして33年目にして初めて単行本が出たという漫画家。そしてその単行本がこの本である。
    というところから想像がつくように、おそろしくマイナーな漫画だ。しかしマイナーだから単行本が出なかったというわけではないだろう。
    ギャグにしかなりようがない設定あるいはシチュエーションを使いながらも、読み手を一切笑わせない異様な世界がそこにある。シュールでありながら狂気に満ちていると言い換えてもいいだろう。
    楳図かずおが、恐怖と笑いが表裏一体であることを『まことちゃん』で証明したけれども、楳図かずおが「恐怖」の絵で「笑い」を描いたとすると、まどの一哉は「笑い」の絵で「恐怖」を描いたといっても構わないかもしれない。
    笑えるはずなのに笑うことが出来ない。そんな雰囲気の異様な漫画なのだ。
    まどの一哉の漫画を読むという行為は作者の描く異様な世界をどこまで受け入れることが出来るかどうかという根競べのようなものでもある。

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