菜時記 霜月/壬辰

私の人生は5年前から変わってしまった。と妻はいう。
それは僕が妻を医療保護入院させた日のことをいっている。
しかし、あれから6年経った。妻が5年前といっているのは単なる勘違いでしかないのだが、僕には訂正してあげる勇気はない。それに僕が訂正しようがしまいが妻にはやがて10年前といわなければいけない日がやってくる。
菜時記 霜月/壬辰
先週から心に決めたとおり、今日こそはバターナッツを買う。
とはいえども、店に入ったら真っ先にバターナッツの置いてある場所まで行きたいというはやる気持ちを抑えて、平常心でいつもどおりのコースで野菜を物色する。
ここのところ1kg入りの大入り袋でじゃがいもと玉葱が売られている。今週はそのどちらも買わなければいけないのだが、両方共1kgのものを買うのは体力的に少しつらいので、ここは玉葱のほうを選択し、じゃがいもは通常のものを買うことにする。
きのこ類が1個98円、3個買うと280円となっていたが、しめじと舞茸は欲しいが、えのき茸やエリンギも欲しいかというと少し迷う。3個も買ってしまうと、きのこづくしになってしまうし、3個買ってどのくらい安くなるのかといえばその金額は14円である。なので3個買って安くするというのは諦める。
レタスもグリーンカールもサニーレタスも128円。ここはグリーンカールを買うことにする。特に深い意味はないけれど。
にんにくの芽が売られていたが、今週は少し我慢、というのもバターナッツを買うためにその分の余分な出費を抑えるためだ。
キャベツは1/2カットが108円、先週までとは違い葉の密度が高いので、迷うことなくかごに入れる。
大根の葉っぱ付きのものがあったら嬉しいと妻が言っていたので、探してみると地元野菜のコーナーにそのものずばりのものが置いてあったので、うれしくなる。
で、いよいよ今日の本命のバターナッツである。200円と140円と二種類売られていてもちろん140円の方が小さい。とりあえずお試しということで140円の方を買うことにする。
レジで精算すると、もう今日の買い物は全て完了した気分になったが、まだまだ買い物は続く。
というわけで150円のミニトマトを買うために地元野菜の店へよるのだが、そこでフェイジョアを見つける。6個ほど入って100円である。
恥ずかしながら半世紀ちかく生きてきてフェイジョアという果物の存在を知ったのは2週間ほど前である。その時からちょっと気になっていたのだが、バターナッツの存在のほうが気になる度合いが大きかったため買い物に行っても視野に入ることがあまりなかった。
バターナッツを買うという目的を達成したので、ついでにフェイジョアも食べてみることにする。充実した買い物だった。

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