扶桑社版異色作家短篇集とでもいえるシリーズが開始された。
第一弾はジョン・コリアだ。
編者が井上雅彦ということで、セレクトされた短編の内容はもちろんのこと、どの話をどういう順番で配置するかという構成や個々の短編の解説も十分に満足できるだろうことは約束されたようなものなんだけれども、最初がジョン・コリアってのはちょっとインパクトに欠ける気もする。
それはともかくとして、「予期せぬ結末」という題名の短編が収録された本だと思ったら、逆で、副題っぽかった「ミッドナイト・ブルー」のほうが収録された短編の題名で「予期せぬ結末」はシリーズ名らしい。ということで第二弾として予定されているのがチャールズ・ボーモントで「予期せぬ結末II」となるらしい。
全般的にオチがはっきりしているというわけではなくあくまで読者の想像に任せるというタイプの話が多い。切れ味のいい話というわけではないので印象が薄くなってしまう面もあって、そのあたりで好き嫌いが別れるかもしれず、この本が売れるかどうか心配なのだが、というのもかつて扶桑社文庫で出た日本SFの復刊シリーズも売れ行きが芳しくなかったせいであえなく三冊で中止となってしまった経緯があるからだ。
もっとも日本SFと比べると海外の異色作家短篇集のほうが需要はありそうなのでそれほど心配しなくてもいいのかもしれない。
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