激しい悲しみ、深い痛み

僕の父のことと時間軸は前後してしまったが、義父のことに関して書いておくことにする。
妻の父が亡くなって、通夜と葬式をどうやって乗り越えればいいのかが、僕にとっての最大の悩みだった。
自分の父親が亡くなったのであれば、変な確執があるのであれば別だが出席するのがふつうのことだ。
妻の実家は他県なので、通夜の前日に出発した。
午後に妻の実家に到着し、その足で遺体の置かれている葬儀場の安置室までいくのが普通なのだが、妻の場合はそういうわけにもいかない。
とにかく、他人と合うことを嫌がる妻は、葬儀場で他の人と出会う可能性があることだけでしりごみしてしまう。
なので、夜の7時を過ぎ、他人と合う可能性の少なくなった時間を見計らって二人で葬儀場に向かった。
安置室には、妻と僕の二人。そして義父。
妻は持ってきた般若心経を涙ぐみながら唱え始める。
そう、妻が出した結論は、通夜にも葬儀にも参加しない、という結論だった。
これが、妻にとっての最後のお別れであり、通夜であり葬儀なのだ。
安置室は室温18度と寒かったが、しばらく二人でいた。
幸いなことに激しい悲しみは妻には訪れなかったが、静かな悲しみはゆっくりと後から訪れるだろう。

コメント

  1. iness招待人 より:

    はじめまして
    コメント欄から大変申し訳ございません。
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    ぜひ、iness に貴ブログを御登録頂けませんでしょうか。
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